パリス・ヒルトンと村上隆

BARNEY2005-10-19

今日は湘南まで往復しなければならなかったので、行きの電車で泉鏡花の『高野聖』、帰りの電車で鈴木良昭の『世界ブランド物語』、ちょっと前に話題になったパリス・ヒルトンの『Confessions of an Heiress』を読んだ。

以前金沢に行って泉鏡花博物館に行った(http://d.hatena.ne.jp/BARNEY/20050522)けど実際に読んだことはなかったので、ざっくりとした内容しか知らなかったけど、金曜日の国文学Ⅷの課題ということもあったので読んでみて、小平麻衣子先生の講義を思い出して、もう一度読んでみると…誤解を生むように偏見に満ちてまとめると(笑)つまり、主人公の若い僧は性欲に負けない理性があったから「蛭(ヒル)」のように生き血を吸って生きる山の中に住む婦人(オンナ)の魔力にかからず、下界に戻ってくることができました、という話なのですね。いや、書き方は冗談ですが、内容的には冗談じゃなく。
深く読むと文学も面白いものだな、といつもこの授業を受けると思います。

  • 発信側と受信側

『世界ブランド物語』は1950年に高島屋に入社し、70年代にアパレル業界の第一線で活躍していた鈴木良昭氏の若かりし頃の回想録。そして『Confessions of an Heiress』はパリス・ヒルトンの写真がいっぱい掲載されているエッセイのようなもの。やっぱり、年をとってからの自慢話よりは、現在進行形、それもまだまだ右肩上がりが予想される人の自慢話の方が勢いがあって面白い。そもそも、パリから文化を学んだ受け手側と、有無を言わせぬ強烈な文化作っている発信側の話、という時点で勝敗が決まっているのかもしれないけれど。

美術業界でこのくらい強烈なのって、やっぱり村上隆くらいかなぁ。軸作って書いたら同じあたりにきそう。何となくだけど。蔡国強は強いけど、理解を超えてるけど、強烈って感じじゃないよなぁー最近はスノッブなのが多い気がする。ヴェネチア・ビエンナーレとかを見てても。