VOCA展→中宮寺菩薩半跏像→ラ・トュール

平面美術の日本若手作家を占うVOCA展東京画廊で2月に個展を開催していた西澤千春は昨年奨励賞をいただきましたが、今年は金田勝一が出品しています。今回は地味めでしたが、あのツルツル感はとても好き。

東京国立博物館中宮寺のご本尊・国宝 菩薩半跏像が特別公開(4月17日まで、http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=1403)されているのというので、友人に無理をお願いして行く。菩薩半跏像は、とてつもない美しさ。何分見てたか分からないが、菩薩半跏像の美しさはすごかった。飛鳥時代なのに手や足、身体のラインが動き出しそうなほど美しい。(河合先生に東洋美術史の授業で聞いた話をもとに見ると。)横や後ろから見たラインもすごく美しい。まるで両性具有のような、白洲正子のいうところの「男は男に成るまでの間に、この世のものとも思われぬ玄妙幽艶な一時期」。友人が同じことを感じていたのにはびっくりだったのだけど。

その後、ちょうど東博の教育普及室長という山本勉氏の康円についての解説に参加できた。運慶の3代目にあたり(非嫡出らしいが)、鎌倉中後期の代表的な仏師である康円は、彼の修論のテーマでもあったらしく、非常に面白い話を聞けた。山本勉氏は今春から清泉女子大で教鞭をとるそうで、今日が最後の解説だったとのこと。ラッキー。

あと、常設で桜をテーマにした特別陳列(4月3日まで、http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=B01&processId=01&event_id=1012)もしていた。季節を感じる。

  • ラ・トュール@西美

もう既に体力の2/3を使い果たしたところで、今日のメイン国立西洋美術館「ジョルジュ・ド・ラ・トゥール−光と闇の世界」展(5月29日まで、http://event.yomiuri.co.jp/latour/)へ。
03年度に西美はラ・トゥールの「聖トマス」を購入できたそうで、その記念イベント。日本人の個人収集家から買い取ったそうだが、確かにこれはかなりすごいこと。ラ・トュールは真作が40点程度しかないし、そのほとんどはフランス国内に収蔵されている。その半数近くが今回こんなに地震が多い日本に集まったのは、本当に大変だっただろうし、このお祝いを兼ねた展覧会じゃなければ決してありえないこと。
私はルーブルの「ダイヤのエースを持ついかさま師」や最近見たメトロポリタンのジプシーの絵のイメージが強かったのだけど、「荒野の洗礼者聖ヨハネ」と「聖ヨセフの夢」はすごかった。特に「聖ヨセフの夢」。天使の人間離れした様子、レースの美しさ、手から漏れる光。

「荒野の洗礼者聖ヨハネ」と「聖ヨセフの夢」に圧倒されてしまい、大好きな常設展がよく分からず。というか、友人がいなければ上野駅まで辿り着けず放浪していたと思う。やはり、西洋美術はまだまだ理解不能です。ルーヴルにリトライしてもまだ勝てないだろうなぁ。はぁ。